記憶
- 記憶の三つの重要な区分
- 記憶過程の三段階
- 三つの記憶貯蔵庫
- 感覚記憶(sensory memory)
- 短期記憶 (short-term memory)と作業記憶 (working memory)
- 符号化 (encoding)
- 長期記憶 (long-team memory)
- フラッシュバルブ記憶 (flashbulb memory)
- 潜在記憶と顕在記憶
- 潜在記憶とプライミング
- 記憶と学習の神経学的な基礎
- 健忘 (amnesia)
- 幼児期健忘
- 構成的記憶(constructive memory)
- 構成的記憶(constructive-memory)-2
- 誤記憶と正常記憶
- 記憶術(mnemonic-systems)
この章での基本的概念 | 概念の簡易的な説明 |
---|---|
符号化段階 (encoding stage) |
環境情報が有意味な存在に翻訳され、そして貯蔵されるとき生じる |
貯蔵段階 (storage stage) |
貯蔵された情報が時間を越えて維持される段階 |
検索段階 (retrieval stage) |
以前に符号化され、そこに貯蔵された情報を記憶から引き出そうとするときに生じる |
感覚貯蔵庫 (sensory store) |
環境から到達する情報が最初に置かれる記憶内の場所 |
短期記憶 (short-term memory) |
練習なしでおおむね20秒位で衰退する意識上に保持された記憶のこと |
リハーサル (rehearsal) |
短期記憶にある情報の意識的反復。通常発声もこれに含まれる。リハーサルは、短期記憶内における情報の再生と、その情報の長期記憶への転送を促す |
精緻化 (elaboration) |
情報を想起する数を増やすように、言語情報を広げる記憶過程の一つ |
長期貯蔵庫 (long-term store) |
私たちにとって一般的に役立つすべての情報を維持している情報の大きな貯蔵庫 |
顕在記憶 (explicit memory) |
過去の記憶の想起において、それが意識的であることを前提とする記憶 |
潜在記憶 (implicit memory) |
知覚的・認知的技能の基礎となる記憶の種類。それはしばしば、達成に導くような経験についての何らかの意識的想起がなくても、いくつかの知覚の認知課題の達成として示される |
感覚記憶 (sensory memory) |
意識には上がらないが、感覚器官に瞬間的に保持される記憶で、一秒あるいはそれ以下の物理的刺激よりは長続きするが、非常に短い写真様の記憶 |
感知範囲 (span of apprehension) |
直後に再生可能な項目数のこと |
部分報告法 (partial-report procedure) |
ジョージ・スパーリング(George Sperling)により考案された、可変な文字の配列が僅かな時間、観察者に提示されるという実験 |
感覚反応 (sensory response) |
上昇した後、下降する神経活動の大きさ |
作業記憶 (working memory) |
数秒間だけ情報を貯蔵する記憶 |
音韻ループ (phonological loop) |
聴覚的符号で情報を貯蔵したり操作したりする作業記憶機構の一つ |
視空間スケッチパッド (visual-spatial sketchpad) |
作業記憶における二つの異なった貯蔵庫のうちの一つで、情報を視覚的もしくは空間的な符号で短時間、貯蔵する |
記憶範囲 (memory span) |
記憶を完全な順序で再生できる最大項目数のこと |
チャンキング (chunking) |
新しい情報を意味のある、より大きな単位に記憶することと、それらを作業記憶に貯蔵すること |
フラッシュバルブ記憶 (flashbulb memory) |
感情が強く喚起される重大な出来事知ったときの周囲の状況についての鮮明で永続的な記録 |
長期記憶 (long-team memory) |
半永久的記憶のこと |
健忘 (amnesia) |
記憶の部分的な喪失 |
構成的、再構成的過程 (constructive and reconstructive processes) |
環境からの客観的なデータに加え、先行する知識や推理に基礎づけられた知覚による過程と、推理や出来事の後の情報に基づいて、一度形成された記憶が体系的に変化する過程 |
構成的記憶 (constructive memory) |
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符号化 (encoding) |
事象を記憶が受容できるような表象に変換すること |
知覚的干渉 (perceptual interference) |
適度末焦点条件よりも極度末焦点条件において、参加者がモノを認識するのにより多くを合わせることを最終的には必要としたという知見 |
推論 (inferences) |
(a)知覚ないし記憶過程は、必然的に真実だとされるものよりむしろ、真実だと信じているものに基礎づけられる。(b)判断は与えられた情報を飛び越えてなされる |
事後の記憶の再構成 (post-event memory reconstruction) |
記憶形成において、私たちは他者によって示唆された新しい情報を付け加えるかもしれない |
スキーマ (schema) |
物理的世界や社会的世界はどのように作用しているのかに関する理論:人、物、出来事、あるいは状況の習合についての心的表象;情報の知覚、整理、処理、活用を促進する認知構造;人、者、状況に関する組織化された信念や知識 |
社会的ステレオタイプ (social stereotype) |
ある人々の集団の全員に共通している人格特性や身体的特徴 |
事後の情報 (post-event information) |
出来事が起こった後に得られるその出来事についての情報が記憶に追加されること |
偽記憶 (memory illusion) |
全く起きていない出来事の記憶のこと |
ソース・モニタリング (source monitoring) |
ある情報の起源を想起する際の認知過程で、自分の知っている知識をどのようにして獲得したのかについて認識すること |
記憶術 (mnemonic system) |
効果的に物事を記憶する一つの方法ないしは一連の方策 |