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【記憶】記憶術(mnemonic systems)

記憶しにくい材料を速やかに多量に記憶する記憶術(mnemonic systems)は、ギリシアの昔からあった。記憶術者はでたらめに並べた50個もの数字をたちどころに記憶して見せて劇的に人を驚かす。しかし、記憶術者に意味のある文章を記憶させる...
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【記憶】誤記憶と正常記憶

これまでの節で説明あるように、記憶の多くは正確さを欠いている。最近、心理学者や神経科学者たちは、まったく起きていない出来事を人が確信をもって思い出すときに生じる偽記憶(memory illusions)をもたらすさまざまな機制を描く試みをは...
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【記憶】構成的記憶(constructive memory)2ステレオタイプ

私たちが心の中である記憶をたどるたびに、その記憶はいくらか変化する、記憶の形成の最中に、推論を生み出し、なおかつ、これらの推論を記憶の一部として貯蔵するかもしれない。 私たちが知っていることや、過去に学習したほかの事実に照らして、意味をなさ...
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【記憶】構成的記憶(constructive memory)

有名なスイスの発達心理学者、ジャン・ピアジェ(Jean Piaret)は、かつて自らの幼児期における鮮明な記憶を記述した。その記憶は鮮明でかつ具体的であった。しかしこの鮮明でかつ具体的な記憶は後に単に誤りではなくでっちあげられ捏造されている...
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【記憶】幼児期健忘

人間の記憶の最も顕著な特徴の一つが、誰もがある種の健忘を経験するということである。たとえ生後1年間の経験は、最も豊富であったとしても、この時期に起きた出来事をだれも実際に再生することはできない。この興味深い現象は最初にフロイト(Freud,...
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【記憶】潜在記憶とプライミング(prming)

プライミング(prming)のもとになる「prime」は「準備する」とか、ポンプの「呼び水をする」といった意味で、心理学用語としての「プライミング」は、文字、単語、図形などの刺激を以前に観察していた結果、初めて示された刺激と比べて、その刺激...
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【記憶】健忘 (amnesia)・逆向性健忘・前向性健忘

潜在記憶についてわかっていることの多くは、健忘 (amnesia)、すなわち記憶の部分的喪失を患っている人々から学ばれてきた。脳の損傷によって、知覚や注意、一般的機能などは高く保たれているのに記憶のみが選択的に障害される健忘症が起こることは...
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【記憶】記憶と学習の神経学的な基礎

一度経験したことが後になって思い出されるためには、その経験が脳の活動や構造の変化として保たれることが必要である。その実態にはいくつかの考え方がある。 1つの仮説は力動説で、経験によって生じた脳の生理的活動がそのまま持続しているという考えであ...
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【記憶】潜在記憶と顕在記憶

長期記憶には、次のようないくつかの種類がある。 ①【個人的な経験の記憶】 たとえば、「今年の冬休みに友人と北海道にスキーに行った」というような記憶である。 ②【一般的な知識の記憶】 私たちは、スキー板をどのような形状でどのような用途を持って...
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【記憶】フラッシュバルブ記憶 (flashbulb memory)

感情が記憶に影響する第二の方法は、フラッシュバルブ記憶 (flashbulb memory)である。フラッシュバルブ記憶とは、感情が強く喚起される重大な出来事を知ったときの周りの状況についての鮮明で比較的永久的な記録である。 1世紀前のアメ...
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【記憶】長期記憶 (long-team memory)・検索・干渉・忘却

新しく入ってきた情報のうち、あるものは秒、分よりももっと長い時間にわたって記憶される。これが長期記憶 (long-team memory)でる。 なにかを記憶しようとするときは、そのことを繰り返し見たり聞いたりする。そして、リハーサルを反復...
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【記憶】符号化 (encoding)

前項目での「短期記憶 (short-term memory)と作業記憶 (working memory)」の作業記憶の部分で説明したように、短期記憶に似た性質で心的計算をするための「作業空間」としての短期記憶を作業記憶 (working m...
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【記憶】短期記憶 (short-term memory)と作業記憶 (working memory)

感覚のうちで、注意を向けられた情報だけが感覚記憶から次の記憶貯蔵へと移される。この記憶貯蔵を短期記憶(short-term memory:STM)と呼ばれ、この記憶は保持の時間が秒単位程度の短い記憶である。 一方、それよりも長い、何分、何時...
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【記憶】感覚記憶(sensory memory)

記憶はその保持期間により幾つかの状態が存在し、まず感覚器官を通して環境から獲得される情報は感覚記憶(sensory memory)や感覚情報保存(SIS)と呼ばれる短時間(1秒以内)しか持続しない記憶に入る。 前項目の「三つの記憶貯蔵庫」で...
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【記憶】三つの記憶貯蔵庫・感覚貯蔵庫・短期記憶・長期貯蔵庫(長期記憶)

記憶の三つの段階は、すべて同じ場所で同じように働くわけではなく、当該の場面が材料を(1)1秒以内の間、(2)およそ数秒の間、(3)数分から数年にわたるなが期間のいずれかの期間にわたって貯蔵(保持、保存)を必要とするかによって記憶過程が異なる...
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【記憶】記憶過程の三段階

人間が学習できるということは、過去の経験の効果を保持できるということであり、このように保持にかかわる過程を記憶という。すなわち、経験によって行動が変化する過程を、新しい行動の獲得という変化で見るとき学習と呼び、その変化の保持という面で見ると...
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【記憶】記憶の三つの重要な区分・符号化・貯蔵・検索

今日、心理学者たちは記憶について三つの主要な区分をしている。 第一は記憶の三つの段階に関係をしており、符号化(encoding stage:または「記銘」)、貯蔵(storage stage:または「保持」)検索(retrieval sta...