記憶術(mnemonic systems)

記憶しにくい材料を速やかに多量に記憶する記憶術(mnemonic systems)は、ギリシアの昔からあった。記憶術者はでたらめに並べた50個もの数字をたちどころに記憶して見せて劇的に人を驚かす。しかし、記憶術者に意味のある文章を記憶させると、一般人とさほど変わらない。

つまり特別に記憶がよいわけではなく、よく知られた技法を組み合わせて、巧妙に演じているのである。

記憶術の原理は、

①符号化:無意味な語を有意味な語に置き換え、数字や年号は、√5=2.2360679「ふじさんろくおおむなく」、コロンブスのアメリカ発見は1492「いよくに(がみえた)」のように語呂合わせを用いる。日本語の場合は、数字も「いち、に、さん、よん(し)」「ひ、ふ、み、よ」のように何種類かの読み方を工夫する。

ただし、数字に戻すとき「い」1か5か区別がつかないので考慮する。

②精緻化:22⇒ふじ、79⇒なく、のような置き換えのほかに、1つの文章にまとめる技法である。1492では、発見と「くにがみえた」のような関連情報の付加が含まれている。

③イメージ化:視覚的なものに置き換える。14⇒いよ、よりも、14⇒いし(石)のほうがよい。

④場所法:多くの材料を一定の順序で覚えるために、自分の身体の各部位、家の部屋の並びかた、通学路上の店の並び方のように、熟知した場所に結びつける(連合)。

⑤論理的な理解:カトナ(Katona,1940)は、数字列が21232628311の暗記の祭、212、326、283、133のように3桁に区切り、機械的に暗記させた場合はすぐに忘却するのに対して、21+2⇒23、23+3⇒26、のように数字列が+2+3+2+3・・・のように規則で作られていることを教えた場合、いつまでも保持されていることを示した。

論理的な理解は、記憶術にも応用される。

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