フラッシュバルブ記憶 (flashbulb memory)

感情が記憶に影響する第二の方法は、フラッシュバルブ記憶 (flashbulb memory)である。フラッシュバルブ記憶とは、感情が強く喚起される重大な出来事を知ったときの周りの状況についての鮮明で比較的永久的な記録である。

1世紀前のアメリカ人がアブラハム・リンカーンの暗殺事件に関するフラッシュバルブ記憶を持っていたことを示す報告が発表されており、コールグローブ(Colegrove,1899)は179人に聴取したところ、そのうちの127人がリンカーンの暗殺を聞いたとき、自分がどこにいて、何をしていたかについてその詳細を完全に報告できた。

ただし、初期のこの研究の問題点は、フラッシュバルブ記憶が正確であったかを評価する方法が何もないということである。たとえばある男が1960年に起きた強力なチリ地震の詳細な記憶を述べた。その中で彼は、彼の家の激しい揺れによって早朝に起こされたことを再生し、他の出来事もあった中で、彼の祖父の時計が6時きっかりに止まっていたことを述べた。

数年後、彼はその地震が実際は午後2時11分に起きていたことを発見した。すなわち、その地震は確かに現実ではあったけれども、それが早朝起きたという。彼の鮮明なフラッシュバルブ記憶は、現実ではなかった。

今のところはフラッシュバルブ記憶が実際起きたことの記録と関連して注意深く研究されるとき、フラッシュバルブ記憶は、ほかの種類の記憶とちょうど同じように衰退や干渉を受けやすくなるということである。

文脈効果

感情はまた文脈効果を通して、記憶に影響する。検索時の文脈が符号化時のそれと一致するとき、記憶は最も優れている。学習中の私たちの感情状態も文脈の一部をなしているので、もし学習している材料が悲しみを誘うようなものであれば、おそらく、再び悲しみを感じたときに、その材料を最もよく検索できるであろう。

実験では、参加者は1週間、日記をつけてもらい、その間のあらゆる感情的な出来事を記録し、その出来事が楽しかったかあるいは不愉快であったかどうかをも記述した。参加者は日記を提出した1週間後に、実験室に戻り、催眠をかけられた。

半数には楽しい気分に、残り半数は不愉快な気分にされ、すべての参加者は日記に書いた出来事を再生するように言われる。愉快な気分にされた参加者については、彼らが再生したほとんどの出来事が、それを経験したとき愉快であったとして評価されていた。

他方の、不愉快な気分にさせられた参加者では、再生されたほとんどの出来事がそれを経験したとき、不愉快であったと評価されていた。予想通り、検索中の支配的な感情が、符号中のそれと一致したとき再生は最も優れていた(Bower,1981)。

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