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【感覚過程】視覚-2(感度)

光に対する感度は、桿体と錐体によって決まる。桿体と錐体には、三つのきわめて重要な違いがあり、それらが、知覚された強度すなわち明るさにかかわるたくさんの現象を説明する。

一番目の違いは、桿体と錐体とでは、活性化される光の水準が違うことである。白昼には、あるいは十分に照明された部屋では、錐体だけが活性状態にあり、桿体は意味のある神経信号を何も出さない。一方、下弦の月か上弦の月の夜、あるいは、照明の薄暗い部屋では、桿体だけが活性状態にある。

二番目の違いは、錐体と桿体が異なる課題のために特殊化していることである。下図にあるように、錐体と桿体が神経節細胞に連結している仕方に見てとれることができる。

錐体と桿体と神経節細胞の関係

図の左は、三つの隣り合った錐体を示している。錐体のそれぞれは、ただ一つの神経節細胞と結合している。このことは、錐体が光を受け取ると対応する神経節細胞の活動を増加させることを意味する。神経節細胞のそれぞれは、隣の最も近くにある神経節細胞と結合している。

その結合は、隣の細胞の活動を減少させる結合である。神経節細胞のそれぞれは、また、脳の視覚野とも長い軸索によって結合している。これらの軸索が合わさって視神経を形成する。

図の右側は、三つの隣り合った桿体を示している。桿体のそれぞれは、三つの神経節細胞と結合している。しかしながら、この場合には、神経節細胞間には神経活動を減少させる結合がない。

こういった配線の意味合いを理解するために、単一の光点が錐体か桿体のいずれかに提示されたとしよう。錐体に提示された場合には、光点の位置に対応する神経節細胞の一つだけが反応するだろう。しかしながら、光点が桿体のみに提示された場合には、その光点は、三つまでの神経節細胞の活動を増加させるであろう。

この複合的な活動は、信号が脳に達するのを確実にする助けとなるであろうが、光点の正確な位置については、かなりの不確実性があることも意味するであろう。したがって錐体とつながっている神経節細胞の相互結合は、照明が十分な条件の下での細部にわたる形の知覚を確実にする助けとなり、単一の神経節細胞へのたくさんの桿体の収束は、照明が弱い条件の下での光に対する感度を保証する助けとなる。

そういうわけで、錐体が活性状態にある、照明がかなり十分な条件でのみ、活字の小さい印刷物を読むような高い解析度を要する作業を行うことができるのである。

三番目の違いは、桿体と錐体が網膜上の異なる位置に集まっていることである。中心窩はたくさんの錐体を含んでいるが桿体を含まない。一方、周辺部は桿体が豊富であるが錐体は比較的少ない。桿体の分布の一つの帰結は、夜、星を眺めているときにわかる。

薄暗い星をできるだけはっきりと見るためにはその星の少し脇を見る必要があることに気づいたことがあるかもしれない。そうすることでその星からの光が最大数の桿体を活性化することを確実にするわけである。

暗順応

明るい場所から暗い場所に入ったときなどほとんど何も見ることができないが、2~3分くらいすると徐々に見えるようになリ、ついには暗い中でも人の顔を見分けられるようになる。

暗がりで見える能力のこの変化が暗順応(dark adaptation)と呼ばれる。すなわち、暗いところで時間を過ごすにつれて、暗順応を説明する二つの過程が生じる。

一つは、目の瞳孔が大きさを変えることであり、周囲の環境が暗くなると目の瞳孔が拡がる。もっと重要なことは、受容器内で光化学変化があり、光に対する受容器の感度を増大させることである。

下図は暗順応曲線(dark adaptation curve)を示している。暗順応曲線は、暗闇にいる時間の長さとともに絶対閾が下がる様子を示している。

曲線には二つの部分があり、上側の部分は錐体の順応を示し、錐体の順応は、かなり急速に起きている。錐体は、おおよそ5分以内で完全に順応している。

錐体が順応しつつある間、桿体もまた順応しつつあるが、ゆっくりとしたものである。結局は、桿体の順応は、すでに完了している錐体の順応に「追いつく」が、桿体は、その後さらに25分くらい順応し続ける。

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