動機づけの研究に対する認知的アプローチでは、個人の自身の行動についての理解と解釈が強調される。すなわちなぜ私たちは何かをすると思うのか、動機づけは何に起因しているのかということである。
例えば「なぜ、あなたはこのサイトを見ているのか?」
この問いに、興味がありこれらを理解することがある種の能力や優越感を得られるからだと思うだろうか。もしそうならばその感情によって内発的に動機づけ(intrinsically motivated)されていることになる。
もしくは試験のため何かレポートを書かなくてはいけないため必要だからだろうか。もしそれが理由であればそれは予想していた外的な報酬によって外発的に動機づけ(extrinsi-cally motivated)られていることになる。
研究によれば、内発的に動機づけられた人は根気強く課題をこなし、複雑な概念の記憶はよく、そして複雑な題材を認知的により創造的な方法で扱うことが出来る(Deci,Ryan,&Koestner,1999)。また勉強がただ面白いだけでなく、内発的に動機づけられている場合にはさらに有効的であることを示している。
ある研究者によれば、原因を内発的な動機づけに帰することは、個人か自信を制御しているという感情をもたらし、その一つが自己決定であるという(Deci&Ryan,1985)。
外的報酬が大きな影響を持つようになると、自己決定の意識はなくなってしまい、根気強さも弱くなり、とくに難しい課題になると簡単にやる気がなくなってしまう。
また、外的報酬は内発的動機付けを害するという実験結果があり、最初は内発的に動機づけられていた課題も報酬が導入されてしまうと「自発的に遊んでいたものが仕事になった」ように見えるようである。すなわち個人は自分の従事した課題を、それに結びついている本来の達成感よりも、予期した外的報酬に起因すると考えがちになる。
この効果は過剰な正当化効果(overjustification effect)といわれ、これは外的報酬が課題をすることへの正当な理由になってしまい、内発的動機づけを阻害する状況になるという認知的解釈である。
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