脳と心の科学

視覚-2(感度)

光に対する感度は、桿体と錐体によって決まる。桿体と錐体には、三つのきわめて重要な違いがあり、それらが、知覚された強度すなわち明るさにかかわるたくさんの現象を説明する。 一番目の違いは、桿体と錐体とでは、活性化される光の水・・・

視覚-1/視覚系

人間には一般に次の感覚があるとされる。(a)視覚、(b)聴覚、(c)嗅覚、(d)味覚、(e)触覚、(f)体性感覚(たとえば胴体に対する頭の位置の感覚を担う)である。体性感覚は必ずしも強度と質の意識的感覚を生じないので、こ・・・

感覚符号化

感覚系には、それぞれ解かなければならない根本的な問題が二つある。すなわち第一に、入ってくる物理情報、たとえば光を最初の神経表象に変換する方法、そして、第二に、物理情報のさまざまな特徴(たとえば、強度、色相)を、対応する神・・・

閾値以上の感覚

視覚やほかの感覚様相の感覚閾に関する知識は、感覚器官がどのように構成されているかという基本を理解する上で重要である。たとえば目の中の光を感知できる色素の一分子が光の単一の光子に反応するという知識は、光を感知できる色素がど・・・

閾値-絶対閾と弁別閾

どんな感覚系にも、環境から何らかの形態の情報を獲得し、その情報を何らかの形態の脳内神経表象へ変換するという務めがある。したがって、感覚系の仕組みを理解するには二段階必要である。まず初めに、何が特定の形態の環境情報の関与す・・・

感覚と知覚

夜遅く人気のない教会で腰をおろしている姿を想像していただきたい。その姿は深い静けさに満ちているけれども、実際には外界から膨大な量の情報が降り注いでいる。すなわち聖餐台からの光がほの暗く見えるかもしれないが目に入り、街の物・・・

同一性地位の発達

各々の同一性地位は、種々の内容領域(価値観や仕事など)について、「危機」あるいは「探索」という点と、「傾倒」という点で分類している。もともとエリクソンの対極的発想をいかして、何をしたか、しているかを半構造的面接(質問を決・・・

思春期の心理的影響:自我同一性と同一性地位

精神分析家エリック・エリクソン(Erik Erikson)は、青年期に直面する主要な課題は自我同一性(アイデンティティ)の感覚を発達させることであり、「私はだれか」「私はどこへ向かうのか」といった疑問に対する答えを見つけ・・・

青年期の発達

青年期(adolescence)は児童期から成長期への移行期にあたり、およそ12歳から身体的な成長がほとんど完了する10代後半ごろまでとされている。この時期において、若者は性的に成熟し、家族とは異なる個人としての自我同一・・・

自己概念 (self-concept)

もしあなたが18カ月の乳児のおでこに、その子が気付かないように、赤いシミをつけて鏡の前に立たせたら、その子は手を伸ばしておでこについたそのシミに触ろうとするだろう(Gallup,1998)。 このテストはミラー・テストと・・・

愛着(attachment)-2:養育態度

赤ちゃんに見られる愛着の違いを説明するために、研究者たちは、主たる養育者、すなわち母親のとる行動に多くの関心を集めている。その主なものとして、赤ちゃんの欲求に対する応答感受性(sensitive responsivene・・・

愛着(attachment)-1

乳児が特定の人との密接な関係を求める傾向やそれらの人がいることにより安心する傾向は、愛着(attachment)と呼ばれている。当初、心理学者は、母親に対する愛着が発達するのでは、母親が乳児にとって最も基本的な欲求である・・・

初期の社会的行動

赤ちゃんは生後数分内に大人のおおよその表情をまねすることができ、このことは赤ちゃんが社会的なやり取りに対する準備ををして生まれてくることを示唆している(Melzoff&Decety,2003)。 生後2カ月になる・・・

人格と社会性の発達

新生児は生まれて間もないころからかなりはっきりとした人格を持っている。生まれて間もない数週間という早い時期から、活動水準、環境の変化に対する反応、またかんしゃくなどにおいて、個人差がみられる。よく泣く子もいれば、ほとんど・・・

道徳的判断の発達

ピアジェは子どもの思考の発達以外にも、どのように子どもたちは道徳的判断(moral judgment)を発達させるかに興味を持っていた。彼は、子どもたちが道徳的規則や社会的習慣を理解できるかどうかは、認知発達の水準に一致・・・

心の理論・メタ認知の発達

人間は、他者の「こころ」の状態をどれだけ理解し、推量することができるだろうか。また、子どもは、他者の「こころ」の状態を何歳ころになったら理解し、推量することができるようになるだろうか。 このような問題は、最初チンパンジー・・・

ピアジェに代わる理論

発達心理学者の間では、ピアジェはこどもたちの能力を過小評価しているとの共通認識は得られているが、どの理論も最もよくピアジェにとって代わるものかについては、いまだ意見の一致は得られていない。ある心理学者は情報処理アプローチ・・・

児童期の認知発達2-ピアジェ理論への批判

ピアジェの理論(詳しくは「児童期の認知発達1-ピアジェの発達段階理論を参照」は、児童期の認知発達(知的発達面)に対し、革命的な考えで知的発展を導くものであったが、その後、他の新しい研究、検証により、子供の能力を過小評価し・・・

児童期の認知発達1-ピアジェの発達段階理論

心理学の認知発達に関する理論は、スイスの心理学者ジャン・ピアジェ(1896~1980)の影響が大きく、発達研究の基本的な理論とされる。現代では研究も進みピアジェの理論をさらに発展させた、あるいは否定的な理論も多い。 ただ・・・

新生児の能力

19世紀末、心理学者ウィリアム・ジェームズ(William James)は、新生児はその世界を「がやがやした、きわめて無秩序で混乱した状態」として体験していると述べた。この考えは1990年後半まで広く浸透していた。 しか・・・

遺伝と環境による影響と発達段階

17世紀当時「赤ん坊は小さな大人であり、十分な能力を持ってこの世界に誕生した存在で、単にこれらの先天的な特徴が、成長の過程で現れていく」と広く認められていた。 しかし、哲学者ジョン・ロックはこの説に対し否定的で、新生児の・・・

進化・遺伝・行動(4)

最近、人格の一部などある種のヒトの形質は、神経伝達物質の受容体に作用する特定の遺伝子によって影響を受けることが研究差たちによって提唱されている(Zuckerman,1995)。 この種の多くは、ある種の心理学的形質を持っ・・・

進化・遺伝・行動(3)

ある形質は単一遺伝子により決定されるが、多くのヒトの特徴は複数の遺伝子によって決定され、多因子遺伝(polygenic)という。知能、身長、情動などの形質は別個の種類に分かれることはなく、連続的変化を示す。 ヒトの多くは・・・

進化・遺伝・行動(2)

自然淘汰は遺伝子(genes)に作用するが、それは基本的遺伝単位を形成するデオキシリボ核酸(DNA)分子の部分である。私たちが親から受け取り、子孫に渡す遺伝子は身体の個々の細胞の核にみられる構造である染色体(chromo・・・

進化・遺伝・行動(1)

心理学の生物的基礎を十分に理解するためには、進化と遺伝的影響についても若干知る必要がある。何百万年以上もすべての生命が進化を続けており、環境要因が神経系の組織化と機能に重要な役割を果たしてきている。 チャールズ・ダーウィ・・・

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